インスタグラムで活躍する「インスタグラマー」とは、一体どんな人たちなのでしょうか?インフルエンサーとの違いが曖昧な方も多いはずです。
そこでこの記事では、インスタグラマーの定義やインフルエンサーとの違い、インスタグラマーを起用する流れ、起用する際の注意点を解説します。
また、インスタグラマーを目指す方に向けてインスタグラマーになる方法もご紹介します。
インスタグラマーとは?
インスタグラマーとは、インスタグラム上で影響力がある人のことです。多くのフォロワーを持ち、その影響力を活かして企業と提携し、商品やサービスのPR活動を行なうことで収入を得ています。
インスタグラマーは近年、SNSマーケティングが重要視される中で、企業のプロモーション活動において重要な役割を担っています。
インスタグラマーの活動内容
インスタグラマーの活動内容は多岐に渡ります。
企業から依頼を受けて商品やサービスをPRする「タイアップ投稿」、自身のアカウントで商品を紹介する「PR投稿」、イベントに参加して情報を発信する「イベントレポート」、ライブ配信でファンと交流する「インスタライブ」など、さまざまな活動を通して影響力を発揮しています。
また、企業の公式アカウントの運用を代行したり、写真の撮影や動画編集のスキルを活かしてコンテンツ制作を行なうインスタグラマーもいたりします。インスタグラムの機能を活用した広告運用や、コンサルティング業務を行なうなど、活動の幅は広がり続けています。
フォロワーが何人いればインスタグラマー?
インスタグラマーは一定数のフォロワーを持ち、発信力や影響力がある人のことを指します。また、企業とのタイアップ実績を持つなど、一定の基準を満たしているユーザーがインスタグラマーと認識されます。
具体的に何人のフォロワーがいればインスタグラマーと呼べるのか、明確な基準はありませんが、一般的には数千人以上のフォロワーを持ち、コンスタントに投稿を行ない、エンゲージメント率が高いアカウントがインスタグラマーと言えます。
ほか、フォロワー数だけでなく、投稿内容の質や発信頻度、フォロワーとのインタラクションなども重要な要素となります。
インスタグラマーの種類
インスタグラマーは、投稿するコンテンツの内容やターゲット層によって、さまざまな種類に分類されます。
たとえば、ファッションに特化した「ファッションインスタグラマー」、美容に関する情報を発信する「ビューティーインスタグラマー」、グルメ情報を中心に発信する「グルメインスタグラマー」、旅行の様子を発信する「トラベルインスタグラマー」などが挙げられます。
その他にも、子育てに関する情報を発信する「ママインスタグラマー」や、ペットの写真をアップする「ペットインスタグラマー」など、多種多様なインスタグラマーが存在します。
マイクロインフルエンサー
近年注目を集めているのが「マイクロインフルエンサー」です。
フォロワー数は数千人から数万人程度と、マクロインフルエンサーと呼ばれる数十万人以上のフォロワーを持つインスタグラマーに比べると少ないですが、特定のニッチな分野に特化しており、その分野における高い専門性と濃いフォロワーとのつながりを持っているのが特徴です。
そのため、特定のターゲット層へのリーチを図りたい企業にとって、マイクロインフルエンサーは効果的な手法となりえます。たとえば、特定の地域の情報を発信するローカルインフルエンサーや、特定の趣味を持つ人々に影響力を持つインフルエンサーなどが挙げられます。
企業は、自社の商品やサービスのターゲット層に合致するマイクロインフルエンサーを選定することで、より効果的なPR活動を行なうことができます。
ナノインフルエンサー
インスタグラマーの中には、さらにフォロワー数が数百人から数千人程度の「ナノインフルエンサー」も存在します。フォロワー数は少ないものの、より親密なコミュニティを形成しており、フォロワーからの信頼度が非常に高いのが特徴です。
企業は、ナノインフルエンサーを活用することで、口コミマーケティングのような効果を期待できます。友人や知人からのおすすめのように、フォロワーに自然な形で商品やサービスをPRしてもらうことが可能です。
インスタグラマーとインフルエンサーの違い
「インスタグラマー」と「インフルエンサー」は、どちらもSNS上で影響力を持つ人物を指す言葉として使われますが、厳密には異なる意味を持ちます。混同しやすい両者の違いを、プラットフォーム、影響力の2つの観点から解説します。
プラットフォーム
さきほど触れましたが、インスタグラマーは、その名の通りインスタグラムを主な活動拠点とするユーザーを指します。美しい写真や動画、魅力的なストーリーを通じてフォロワーを獲得し、インスタグラム内での影響力を築いています。
一方、インフルエンサーはインスタグラムに限らず、X、YouTube、TikTok、Facebookなど、さまざまなソーシャルメディアプラットフォームで活動します。特定のプラットフォームに限定されず、複数のプラットフォームで影響力を持つ人をインフルエンサーと呼びます。
影響力
インスタグラマーは、インスタグラムのフォロワーに限定された影響力を持つことが多いです。フォロワー数が多いインスタグラマーは、企業とのタイアップ投稿や商品PRなどを通じて収益化を実現しているケースも少なくありません。
インフルエンサーは、特定の分野や業界において、より広範な影響力を持つ傾向があります。たとえば、美容系インフルエンサーであれば、特定の化粧品ブランドの購買意欲を高めたり、ファッション系インフルエンサーであれば、トレンドの形成に影響を与えたりする可能性があります。影響力の広さと深さが、インスタグラマーとの大きな違いと言えるでしょう。
インスタグラマーを起用する際の流れ
インスタグラムマーケティングにおいて、適切なインスタグラマーを起用することはキャンペーンの成功に大きく影響します。ここでは、効果的なインスタグラマーを起用するステップをご紹介します。
1. 目的の設定
まず、インスタグラマーを起用する目的を明確にしましょう。
ブランド認知の向上、新商品のプロモーション、ウェブサイトへの誘導など、目的によって適切なインスタグラマーのタイプや施策内容は異なります。明確な目標設定が、効果的なキャンペーン展開の第一歩です。
2. ターゲットの明確化
次に、キャンペーンのターゲット層を明確にしましょう。
ターゲット層の年齢、性別、興味関心、ライフスタイルなどを具体的にイメージすることで、ターゲット層に影響力を持つインスタグラマーを選定することができます。
たとえば、20代女性向けの化粧品を宣伝する場合、美容系インスタグラマーで20代女性フォロワーが多い人物が適任と言えるでしょう。
3. インスタグラマーの選定
目的とターゲット層が明確になったら、インスタグラマーの選定に取り組みます。
フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率(「いいね!」やコメント、保存などのリアクション数)も重要な指標となります。エンゲージメント率が高いほど、フォロワーの反応が良く、広告効果も期待できます。
また、インスタグラマーの投稿内容や世界観が、自社のブランドイメージと合致しているかを確認することも重要です。インスタグラムの検索機能や、インスタグラマーマーケティング支援ツールなどを活用して、候補となるインスタグラマーを探しましょう。
具体的には、ハッシュタグ検索やキーワード検索で関連性の高い投稿をしているインスタグラマーを見つけたり、支援ツールを使ってフォロワーの属性データやエンゲージメント率などを分析したりすることで、より精度の高い選定が可能になります。
4. 依頼内容の決定と交渉
起用するインスタグラマーが決まったら、依頼内容を具体的に決め、その内容に沿ってインスタグラマーと交渉を行ないます。投稿内容、投稿頻度、ハッシュタグ、キャンペーン期間、費用などを明確に伝え、契約書を交わすことが重要です。
このとき、インスタグラマーのクリエイティビティを尊重し、自由な発想で投稿を作成してもらうことで、より自然で効果的な広告となる可能性があります。過度な指示や制約は、インスタグラマー本来の魅力を損なう可能性があるので注意が必要です。
たとえば、商品の使用感を自由に表現してもらう、ターゲット層に響くようなキャッチコピーを考えてもらうなど、インスタグラマーの強みを活かした企画を立てることが重要です。
5. 効果測定と分析
キャンペーン実施後は、効果測定と分析を行ないます。インプレッション数、リーチ数、エンゲージメント率、ウェブサイトへのアクセス数、コンバージョン率などを分析することで、キャンペーンの成果を客観的に評価できます。
そして、これらのデータをもとに、今後のインスタグラマーマーケティング戦略を改善していきましょう。効果測定ツールを活用することで、キャンペーンの効果を可視化し、費用対効果を検証することも可能です。
6. 関係性の構築
インスタグラマーとは一度のキャンペーンで終わらせるのではなく、継続的に良好な関係を築くことが大切です。インスタグラマーとの良好な関係は、長期的なブランドイメージの向上や、コミュニティ形成につながります。
定期的なコミュニケーションや、イベントへの招待などを通して、良好な関係を維持しましょう。また、インスタグラマーからのフィードバックを積極的に取り入れることで、より効果的なキャンペーン展開が可能になります。
インスタグラマーを起用する際の注意点
インスタグラマーを起用する際には、いくつか注意点もあります。ここで押さえておきましょう。
インスタグラマーのフォロワー層とターゲットが合致しているか確認する
起用するインスタグラマーのフォロワー層が、自社の商品やサービスのターゲット層と合致しているかを確認しましょう。フォロワーの属性(年齢、性別、興味関心など)を分析し、ターゲット層と親和性が高いインスタグラマーを選ぶことで、より効果的なプロモーションを実現できます。
たとえば、化粧品ブランドが20代女性向けの商品を宣伝する場合、美容に関心の高い20代女性フォロワーが多いインスタグラマーを起用するのが適切です。フォロワー数が多いだけでは効果が出ない可能性があるため、質の高いフォロワーを持つインスタグラマーを選定しましょう。
インスタグラマーの過去の投稿内容を確認する
インスタグラマーの過去の投稿内容をチェックし、自社のブランドイメージと合致するかどうかを確認することも重要です。ブランドイメージに合わない投稿が多い場合、キャンペーンの効果が薄れるだけでなく、ブランドイメージを損なうリスクもあります。
たとえば、健康食品ブランドが、過去に不健康な食生活に関する投稿が多いインスタグラマーを起用すると、ブランドの信頼性を損なう可能性があります。過去の投稿内容だけでなく、インスタグラマーの活動内容や価値観なども考慮し、ブランドイメージとの整合性を確認しましょう。
エンゲージメント率を確認する
フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率(いいね!、コメント、シェアなどの反応率)も重要な指標です。フォロワー数が多くても、エンゲージメント率が低い場合は、フォロワーが実際には投稿に興味を持っていない可能性があります。
エンゲージメント率が高いインスタグラマーは、フォロワーとの関係性が良好で、投稿への反応も期待できるため、キャンペーンの効果を高めることができます。エンゲージメント率は、過去の投稿のいいね!数やコメント数などを参考に、総合的に判断しましょう。
契約内容を明確にする
インスタグラマーとの契約内容を明確に定めることも重要です。投稿内容、投稿回数、投稿期間、報酬額、成果指標、著作権の取り扱いなど、事前に詳細な契約を締結することで、トラブルを未然に防ぐことができます。
口約束ではなく、書面での契約を交わすことで、双方が安心してキャンペーンに取り組むことができます。また、契約内容に変更が生じた場合は、速やかに双方で確認し、合意の上で変更を行なうようにしましょう。
ステルスマーケティングへの注意
ステルスマーケティング(ステマ)とは、広告であることを隠して宣伝を行なうことです。
景品表示法では、広告であることを明示することが義務付けられています。インスタグラムで商品やサービスをPRする際には、「#PR」「#広告」などのハッシュタグを付けて、広告であることを明確に示す必要があります。また、タイアップ投稿(ブランドコンテンツ)として配信する必要もあるため、これは必ず守りましょう。
ステマは消費者の信頼を損なうだけでなく、法的にも問題となる可能性があります。必ず広告であることを明示しましょう。また、消費者庁のガイドラインなども参考に、適切な表示方法を確認しておくことが重要です。
【番外編】インスタグラマーになるには?
この記事をお読みの方の中には、インスタグラマーになりたいと考えている人もいるのではないでしょうか。インスタグラマーになれれば、インスタグラムで収益を生み出すことが可能になるため、より充実したSNSライフを送りやすくなります。ここでは、そんなインスタグラマーになるための基本のアカウント育成のコツを解説します。
アカウントのジャンルを定める
まず最初に重要なのは、自分のアカウントのジャンルを明確にすることです。ファッション、ビューティー、グルメ、旅行など、自分が得意とする分野、そして発信したいテーマを絞り込みましょう。
このとき、ターゲットも設定することで、より効果的な発信ができるようになります。
たとえば、20代女性をターゲットとしたメイクテクニックを紹介したいのであれば、トレンドを取り入れた最新の情報を発信したり。逆に、幅広い年齢層に料理の楽しさを伝えたいのであれば、定番レシピや家庭料理を中心としたコンテンツを投稿したり。
アカウントのジャンルを決めると同時にターゲットも設定しましょう。
プロフィールを充実させる
アカウントのジャンルが決まったら、プロフィールを充実させましょう。プロフィールは、ユーザーがあなたのアカウントを初めて訪れた際に最初に目にする部分です。わかりやすく、魅力的なプロフィールを作成することで、フォロワー獲得につながります。
プロフィール写真には、自分の顔がはっきりと分かる写真を使用し、アカウントのテーマに関連する画像を選ぶと効果的です。プロフィール文には、アカウントのテーマや発信内容、自身の個性や強みを簡潔にまとめましょう。
また、関連するハッシュタグや、運営しているブログやウェブサイトへのリンクを掲載することも有効です。
魅力的なコンテンツを作成する
質の高い写真や動画は、影響力が強いアカウントを構築するための必須条件です。明るく鮮明な写真、そして魅力的な構図を心がけましょう。写真加工アプリを活用して、色補正やフィルターをかけるのも効果的です。
また、キャプションも重要になります。投稿に関連する内容を記述するだけでなく、フォロワーとのエンゲージメントを高めるために、質問を投げかけたり、コメントを促したりする工夫をしましょう。
ほか、画像コンテンツだけでなく、動画コンテンツも積極的に活用するのがおすすめです。リールやストーリーズ機能を活用して、短い動画で情報を発信したり、フォロワーとの距離を縮めたりすることができます。
ライブ配信機能を使って、リアルタイムでフォロワーと交流するのも効果的です。
ハッシュタグを効果的に活用する
ハッシュタグは、あなたの投稿をより多くのユーザーに見つけてもらうための重要なツールです。投稿に関連するハッシュタグを適切に付けることで、検索結果に表示されやすくなり、新たなフォロワー獲得につながります。
ただし、闇雲に多くのハッシュタグを付けるのではなく、関連性の高いハッシュタグを厳選して設定することが重要です。また、人気ハッシュタグだけでなく、ニッチなハッシュタグも活用することで、よりターゲットを絞り込んだリーチが可能になります。
自分の投稿内容に合ったハッシュタグを効果的に活用しましょう。
エンゲージメントを高める
フォロワーを増やすためには、積極的に他のユーザーと交流し、エンゲージメントを高めることが重要です。いいね!やコメント、DMを通じて、フォロワーと積極的にコミュニケーションを取りましょう。
他のユーザーの投稿にコメントを残したり、ストーリーに反応したりすることで、新たなフォロワーを獲得できる可能性も高まります。
また、質問コーナーやアンケート機能を活用して、フォロワーの意見を積極的に取り入れることも大切です。定期的にライブ配信を行なうことで、フォロワーとリアルタイムで交流し、より深いつながりを築くことができます。
分析ツールを活用する
インスタグラムには、アカウントのインサイトを確認できる分析ツールが備わっています。フォロワーの属性や投稿への反応などを分析することで、より効果的なコンテンツ作成や運用戦略を立てることができます。
たとえば、どの時間帯に投稿するとエンゲージメントが高いか、どのハッシュタグが効果的かなどを分析し、改善していくことで、フォロワー数の増加やアカウントの成長につなげることができます。これらの分析ツールを積極的に活用し、データに基づいた運用を心がけましょう。
投稿を継続する
インスタグラムで成功するためには、継続的な投稿が不可欠です。魅力的なコンテンツを定期的に投稿し、フォロワーと積極的にコミュニケーションを取り、分析ツールを活用して改善を繰り返すことで、徐々にフォロワーが増え、影響力のあるインスタグラマーへと成長できます。
焦らず、地道な努力を続けることが成功への近道です。最新のトレンドやアルゴリズムの変化にも常にアンテナを張り、柔軟に対応していくことも重要です。周りの意見を参考にしながら、発信を続けていきましょう。
まとめ
インスタグラマーは、インスタグラムで多くのフォロワーを持ち、写真や動画を通じて影響力を持つ人物のことです。インフルエンサーと比較すると、特定の分野に特化している傾向があり、商品PRやブランドイメージ向上に効果的です。
企業がインスタグラマーを起用する際は、ターゲット層との親和性や費用対効果を考慮することが重要です。また、自身でインスタグラマーを目指す場合は、質の高いコンテンツ作成と継続的な発信が成功への鍵となります。
インスタグラマーをビジネスに活用したい、インスタグラムでの情報発信力を高めたいと考えている方は、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてください。